グローバル化が進む現代社会において、やはり英語力は必要不可欠です。しかし、ただ英語が話せるだけでは真のグローバル人材とはいえません。グローバルに活躍するスキルの基盤となるのが論理的な思考力です。
また英語教育以前に、母語の力をしっかりと定着させることも重要になってきます。こちらでは、グローバル人材育成に欠かせない論理的思考力と母語の重要性について解説します。
グローバル人材を目指すために身につけておきたい論理的思考力
グローバル人材に求められる要件は、異文化に関する幅広い知識やコミュニケーション力、英語力など様々ですが、グローバルスキルの基盤となるのが論理的な思考力です。
近年、グローバル人材に求められる能力として「クリティカル・シンキング」が注目されています。日本語では「批判的思考」と訳されるクリティカル・シンキングは、物事や情報を鵜呑みにせず多様な視点から検討し、論理的・客観的に理解することをいいます。
グローバル社会で生きるということは、出身国や在住国が異なる異文化背景を持つ人と共存するということです。その中で特定文化の歴史や習慣にとらわれず、客観性や論理性を大事にするロジカルな思考能力は、周囲を説得するコミュニケーション能力として効果を発揮します。
クリティカル・シンキングができなければ、特定の価値観にとらわれた主観的な意見が多くなり、たとえ流暢な英語が話せても能力のある人材とはみなされません。グローバル社会でのコミュニケーションを円滑かつ効率的にするためには、論理的な思考力が必須といえます。
母語がきちんと使えてこそ英語を使えるようになる
グローバル人材育成のためには、英語で円滑にコミュニケーションをとる力が不可欠であるとして、近年では年齢の若い時期から英語を学ばせようとする傾向があります。
しかし英語の早期教育について、日本語も英語も共倒れになるリスクを指摘する専門家も少なくありません。子供の母語が最も発達するのは2歳から4歳頃で、母語で学習できる力を養うには9~10歳までかかるといわれています。
この時期に母語に接する機会が減ると、母語の発達が止まり、それまでに培った言語能力も失われてしまう危険性があるのです。グローバル人材には論理的思考力や表現力が不可欠ですが、そうした力を高めるくらいの言語を習得するには、専門的な教育が必要です。
日本語であれば、国語の授業や小論文によって言葉のニュアンスを知り、表現力が鍛えられます。母語によって思考の基盤を固めてはじめて、外国語を学ぶ準備ができるのです。英語を優先して教えればグローバル人材を育てられるという安易な発想ではなく、母語教育と英語教育は一体で考えることが重要です。
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グローバル化が進む現代社会
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